三種会員企業様 森建設株式会社 森吉三郎会長
記念すべきインタビュー第一号は、森建設株式会社・会長の森吉三郎様です。
森会長は平成22年に、奈良県で初めてとなる奈良地区協力雇用主会の初代会長に着任されました。
犯罪者等の就労受入れ企業のパイオニアとして、長きにわたりご尽力いただいてきました。
御年79歳ですが、まだまだご健脚で、更生保護に関する集まりの場で良くお姿を拝見いたします。
65歳から更生保護および就労支援として協力雇用主様として関わられ様々な経験をされています。
1時間近くの間、色々とお話を聞かせていただきました。

森吉三郎 奈良県協力雇用主会 会長
NPO法人奈良県就労支援事業者機構 中野(以下、中野) : 本日はお忙しい中、インタビューに応じていただきありがとうございます。おまけに今週このあと、股関節の手術を控えておられるということで、大変申し訳ございません。足の状態は大丈夫でしょうか。
森建設株式会社 森会長(以下、森氏) : いやいや大丈夫ですよ。手術したらすごく楽になるというので、楽しみにしているくらいですよ。今日はこちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
中野 : ありがとうございます。まず最初に、会社の事業内容をお聞かせください。
森氏 : わが社は総合建設企業として、設計から施工まで受けている企業です。いわゆるゼネコンです。設計から地質調査から足場や鳶、内装、外装、建築など建物のすべてを任せていただいております。
中野 : 協力雇用主になられた経緯とこれまでに雇用された方について教えてください。
森氏 : 更生保護に関わったのは平成22年7月20日でした。奈良で協力雇用主会を作るという話で、知り合いの保護司から初代会長の打診があり、引き受けました。当時はまったくの無知だったし、年齢も65歳でしたので、勉強が大変でした。いまだに勉強中です。
中野 : 65歳から新しい世界での挑戦は、本当にすごいことだと思います。頭があがりません。
森氏 : 15年間で25人を雇用しました。就労中に再犯したのは4人。特に記憶に残っていますねえ。
最初に雇った人は、少年刑務所まで面会に行きました。とてもいい子で、気に入って仕事してもらっていました。ハキハキとした気持ちのいい子でしたね。当時10代の子でしたが、入社後半年で、大きな怪我をして3か月入院してまして。残念なことに、退院と同時に退職されました。
一番長くかかわった人は、トータル3年ですね。実は一度再犯して拘置されて、仮釈放の間だけ家を提供してあげてね。拘留されている間、毎月手紙を送ってくれるんですよ。律儀な人だったし、腕も確かだった。残念なことに仕事で怪我をしてね、仕事が出来なくなって。プライベートで旅行している時に電話かけてきて、「退職したい」と。
中野 : なぜ苦労されてまで、たくさんの人を雇って来られたんですか?
森氏 : 皆本当はいい子ばかりなんですよ。それと、やはり人手不足というのもありますね。でも、犯罪をする人って、多くは家庭環境が複雑だったり、虐待を受けたり、厳しい中で育ってきた人が多い。環境でそうなってしまったのだったら、就労や定住先の提供などをして、自立に向けた、いい環境の支援をすることで、立ち直る可能性も大いにあると思っています。


15年間の苦労話を笑顔でされる人柄が素敵です。 事務所の裏にはすずめの巣が。これも森会長の人徳
中野 : 今後も雇っていかれますか?
森氏 : もちろんです。更生保護というと慈善事業のように取られがちですが、我々は営利企業として人を雇いれるのですから、ちゃんと働いてもらわないと困るわけです。仕事中は接点もあり、目くばせが出来ますが、休みの日、特に長期休暇に昔の悪い連中と連絡を取り合ってしまい、また犯罪行動に向かうことが多い。この休日部分をどうすればいいかが悩みのたねです。
中野 : なるほど。目が届く間はいいけど、一人にさせると「つい、、、」ということになるんですね。我々就労支援事業者に対して期待することはございますか?
森氏 : 同じ境遇の人たちと集まる場だったり、趣味などを楽しめる健全な場を、提供していただくといいのではないかと考えています。でも、そう簡単な話でないことは理解しています。人それぞれ多様ですし、皆が集まって楽しめるというのはむつかしいですね。
中野 : お互いに支えあれる健全な場があればと思いますね。いきなりはできないとは思いますが、少しずつ前に向かっていこうと思います。今後もぜひご協力いただければ幸いです。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
インタビューは2025年7月8日、森建設株式会社の会長室にて行わせていただきました。